洲崎パラダイス 4.
■ 川島監督の代表作と言われている「幕末太陽伝」は品川の宿場町が舞台だった。
旧東海道、ここから先は江戸ではないと言われた界隈。
花魁とは呼べない、宿場の飯盛女とのやりとりがリアルに描かれている。
裕次郎とフランキー堺が出演するのだが、芸達者なのはフランキーさんの方である。
裕次郎演ずるところの大義名分を揶揄しながら見事に人を喰っていた。
が、基調はどちらも似たりよったりである。
■ 土地というものは境目のようなものがあって、例えば品川宿なら八ツ山の橋である。 その傍に教会があって、川崎方面に流れる時、十字架が嫌でも目に入る。
垂れ幕のようなものが下がっていて「青年は幻を見、老人は夢をみる」とか書かれている。
私は、少しうんざりしながら馴染みのとんかつ屋か蕎麦屋に向かうのだった。