犬の目 4.
 
 
 
■ で、犬の話からどうにかするかといえばそういうことはない。
 ここ数年、億劫なのである。
 出された酒を静かに飲み、並んだゴージャスな乾きものを少しつまみ、そのうちのいくつかをポケットに入れ、黙って金を払って戻る。
 そうか、障害があると安いのか。