風来 3.
 
 
 
■ 東京に近づくにつれ、トラックの群れは多くなる。
 パーキングに入ろうとすると、道路の真ん中に建売住宅があるかのように、コンテナが曲がり角にいた。無灯火である。
 すこしオーバースピードなら突っ込むところで、彼らは何をしているのかというと、ETCの割引時間を待っているのだった。
 
 
 
■ 見たことはないのだが、バッファローの群れの中に紛れた砂漠ネズミのようなものだった。
 僅かに空いたスペースに車を停める。
 外に出れば暑い。
 少しばかり曇ってもいるのはアイドリングのせいで、植え込みには葉桜が水銀灯に照らされていた。