ティファニーと弁当と。
 
 
 
■ 仕事の詰めの頃だった。
 弁当をいくつか買う。
 五分ホトいいですカ。
 私はコインを入れずに車をその前に停めていた。
 
 
 
■ 近くにある美術館で、宝石店の歴史が展示されているという。
 デザインされた垂れ幕が水銀灯の下にある。
 弁当屋の前で、光るような、中身がただの綿だと知れるようなブルゾンを着た30男が携帯で話している。
 青山的でなく六本木的で、プラネタリウムがあって24億で。
 誰に言っているのだろうか。
 誰でもいいが。