一月の雨 3.
■ 師走の歌姫。
という緑坂を書こうと思ってしまい忘れた。
地下二階にある駐車場から車を出す。
昨日まで一面に散らかっていた銀杏の枯葉が片付けられている。
青い制服を着た、掃除の方々が掃いてくれたのだと分かる。
仕事とはいえ申し訳ない気分が残るのは、私も昔、ゴルフ場の掃除をしたことがあったからで、遠くに見えるプレイヤーと隣の女性が別の世界にいるように思えた。
はいつくばって芝生の手入れをする。
何時かそうした立場になりたいと思うこともなく、その仕事で得た金で単車の部品を買っていた。あるいはガス代である。
それで何処を走ったかというと、実は覚えていないのだった。