風来 2.
 
 
 
■「にんげんだもの」と最後につける詩人というかなんというかの方がいて、大衆的にすさまじい人気である。
 ま、いいのだけれども、こういうものを素直に受け入れてしまうと世の中を生きてゆくのが楽になるだろうと常々思う。
「にんげんだもの茶碗」であるとか、「にんげんだもの湯のみ」
 ある種自己肯定の塊なのだが、脈々とそういう文化はあって、地方都市のやや寂れたカウンターでおでんなどを食べているとそういう会話になる。
 汚いから安価なのかと思っていると案外にいい値段がして、庶民を嘗めてはいけない。