これから、どこへゆこう 2.
 
 
 
■ 随分昔、甘木君が大手町の地下にある珈琲屋で、こんなことを言う。
「こーいちさん、俺、一歩間違えるとこういうところにいたんですよね」
 つまり、堅気になって丸の内界隈に通っていたかも知れない、という意味である。
 馬鹿だな、可能性と必然っていう言葉を知らないのか。
 と、私は忙しくシステム手帳に何物かを書いている妙齢OLの隣の席で、偉そうにした。
 
 
 
■ つげ義春さんに「池袋百点会」という作品がある。
 仔細は省くが、昭和30年代の北池袋界隈を題材にした小品で、具体的にそういう暮らしがあったよなと懐かい。現実に知っている訳ではないのだが。
 つげ論を書くととんでもないことになるので、そそくさとやめにする。
 そういえば、下北沢界隈にも美大生の綺麗なウェイトレスがいた。