東京場末気分 2.
■ あんたどこいってたのさ。
と、妙齢末期二乗のおばさんが近づく。
私かと思うと、ふたつ置いたところに座っている男性に向けてで、彼は立ち上がり懐かしそうに話をしている。
病院に入っていてもさ、どうしようもないからさ、出てきたんだよ。
あんた、顔出さないから心配していたよ。
黄色いナイロンのブルゾンを着た男性は、随分と体格がいい。
だが、酒なのだろうか肌が焼け、彼もサンダルに裸足であった。
■ 少年の連れが近づく。
笑いながら、踊るように階段を上ってくる。
これ手に入ったんだよ、と、ブランド物のジャージの下を仲間に見せている。
おいおい、ここで履き替えるなって。
私は思ったが、口にすることはなかった。
ひとりの少年がこちらをちらりと眺めるので、私は唇で笑い、顎で交番の横にあるトイレを指していた。
少年四人組は、再び踊るようにトイレのある方へと急ぐ。
■ どの土地へいっても、駅前ロータリーに暫くいるといくつかのことが分かったような気になる。
あるいは近くにあるファミレスか、ハンバーガー屋界隈である。
だからどうした、ということもないのだが、ロータリーの界隈で私は何枚か写真を撮った。MFに切り替え、絞ってからパンを狙う。いちいち構えてはいられない。
こんなこと、NYのダウンタウンでもやっていたか、夜は怖かったが。
等と思い出し、定食を食べてから車に戻った。