ひとり、ふたり。夜の凪。
 
 
 
■ 何時だったか、ひとりで夜の港にいった。
 いったときはまだ夕方だったのだが、握り飯と缶コーヒーを飲んでいたら暗くなった。 米にコーヒーというのは合わないもので、どちらも好きなのだから仕方がない。
 車を移動させて、ライトを点ける。
 小さな漁船の舳先にには、鮫避けだろうか、眼のような印が描かれていた。
 自転車に乗った漁師が近寄ってくる。
 私は三脚を立て、コダクローム64で長い露出を試みていた。