灰色の瞳 3.
 
 
 
■ 友人と酒を嘗めにゆく。
 座っただけで10000yenとかいうような店である。
 突き出しに女がついてくるようなものだから致し方ないのだが、ものの30分で飽きてきて、次にゆこうとなる。
 路地裏を歩いていて、おい、おまえ大分前に金貸したよな、という話になった。
 そういうおまえも、あの本とレコード返せ。
 ということになって、そういえばさあ、あのボトルの金だけで二週間暮らしていたことってあったよな、とか言い出す。
 あったんだよ。
 ラブホテルって高かったなあ。