花電車 2.
 
 
 
■ で、結局私は彼らの誘いには乗らなかった訳だが、理由はいろいろとある。
 顔出しNGの男優だから、と返事をしておいた。
「こーいちさん、そろそろ顔は露出してもいいっすよ」
 とか、言われることもままあるのだが、気がすすまない。
 
 
 
■ 五木寛之さんが、自らの写真の使用その他について、当時としては異例に神経質だったという話がある。五木さんの初期のエッセイにその旨が書かれているが、さすがにデビュー前に一定の苦労をされた五木さんらしいエピソードである。
 顔で売れる、というのはどの世界にもあるものだ。広告の基本である。
 が、今の段階で自らのWebなどに顔写真を載せているデザイナやモノカキというのは、個人的には俄かに信用しがたい。
 ま、偏見なんですけど。