裏道の匂い。
■ 女に「どことなく裏街道の匂いがする」などと言われるのは、実はまんざらではない。
どこかで会ったわね。
あなたを落とすのは難しいって聞いているわ。
そのようにしてオヤジ達は騙されてゆく。
■ 私は「ほんまりう」さんの劇画が好きで、単行本になっていると大抵は手に取る。
今手元にあるのは、吉田幸彦氏原作の「必殺雀鬼 修羅ボタル」とかいう奴である。
昭和30年代の横浜が舞台。
くぐもった風景と、何処か底辺に近いところに棲む男と女を描かせたら、ほんまさんに並ぶ絵師は少ない。
漫画に限ったことではないが、ちょっとした場面の描写が作品を左右するのだと思っている。
■ ともあれ、ある種腹をくくって進むべきときというのはあって、余計なことは考えない。
つまらない計算をしても仕方がないからで、車を洗わずに出かけることにする。