紅色
    新聞兵。
 
 
 
■ 何故かは知らぬが、最近、文革と朝鮮戦争の本を眺めている。
「李 振盛(リー・チェンション)」という写真家の記録を集めた同書は、文化大革命の様相をあますところなく伝え、その数枚を眺めただけで胸が重くなってくる(発行:ファイドン株式会社)。
「Red-Color News Soldier」
 というのは、1966年、李氏ら造反派グループが活動を始めた際に腕に巻いていた腕章を英訳したものである。
 
 
 
■ 土砂降りだったということもあり、上海の印象は、映画「ブレードランナー」そのままに近かった。
 中国にしばらくいると、人生観が変わるよ。
 と誰だかに言われたが、確かにその通りかも知れない。
 水を得た魚のようになる人間もいれば、その後日本社会との微妙な相違に苦しむひともいる。
 この辺りは、かなり相対化して眺めなければならないのだが、私は歴史家ではなくまた経営者でもないので、感じたものをかたちにしてゆけばいいのだと思っている。
 ほぼ10年前に書いた「夜の魚 外灘」は、上海がこれから急速に進展してゆこうとする直前の作品である。
 荒唐無稽な話になってゆくところもあるが、何、その都市自体がそういう場所であるという感触を確かめた部分もあった。