雨だれ 2.
 
 
 
■ 縦に降るようになった。
 風はまだないようだ。
 今、僅かに背中が痛むのだが、おかしな格好をして寝室の中に潜り込んでいたからかも知れない。
 
 
 
■ あるとき、都心のあるホテルのシガーバーというところにゆく。
 下にあるバーには酒瓶を入れているが、ここではキープをすることができない。
 ほぼ虚しく、ぺルノーの水割りなどを頼んだりした。
 その時は、梅雨だったからである。
 
 
 
■ 葉巻をくるんでいる、帯ようなものを捨てることができないでいる。
 財布というか小銭入れの中に突っ込み、後から眺めたりする。
 このフォントはいいもんだな。色使いもそういうことかしら。
 そうこうしていると、背中を叩かれる。
 帽子を被った妙齢が、六本木の奥まった仮住まいからかけつけてきたのだ。
 夜の腰は細くみえる。