女郎の足抜け。
 
 
 
■ 年末の頃合い、妙齢中程と電話で話した。
 一旦は外に出たのだが、火急のことでもあり、また前の仕事場に戻ってくれと姐さんに頼まれたのだという。
 無茶もするから、仕事もできるんですね。
 
 
 
■ 前に戻ったと聞いて「んー、女郎の足抜けみたいだなあ」と私が言うと随分と叱られた。
 北澤さんは、前もクラブ赤坂って言っていたしぃ。
 はいすいません、セクハラっす。
 彼女は携帯を頬に当て、乃木坂方面へと曲がる。
 ここも坂道が多いところである。