行合坂。
■ 六本木一丁目から麻布方面に歩いてゆくと、その脇は首都高速の橋桁になっている。
過酷な眺めで、自分がその上を通っている時にはどうとも思わないのだが、コンクリは冬には冷たそうだ。
橋の下に住むというのは、昔から浮浪者の定番のひとつだったが、今は柵がしてあって中に入ることはできない。
途中、ロシア大使館に分かれる辺りに幼稚園があって、外側に絵が描いてあった。
向日葵だったり、チューリップだったり象さんだったりするのだが、そこで立ち止まって暫く眺める。
交差点を渡ると、ランボルギーニという車のショールームがあって、原色に光っている。
■ 地下歩道橋の出入り口のアクリルに水をかけている作業員がいた。
脚立を斜めに、ブラシでこすっている。
都の職員なのだろう、平日の午前一時である。
私は見上げながら、その先へ歩いた。
下ってはすぐまた昇る、行合坂が目の前にある。
軽のトラックが何時も舗道ぎりぎりに駐まっていて、うまいものだなと思う。