TIMES SQUARE.
■ 古本屋で、大岡昇平さんの単行本をみつけた。
どうも作家を単独で纏めた全集のひとつらしい。
裏表紙を眺めると、昭和40年代の初めとおぼしき銀座のネオンの写真が使われている。
街灯のモニターなどない頃である。
今よりは遥かに暗い。
■ 今私は、NY、タイムズ・スクエアの画像を触っていた。
どうということはない。ただのネオンなのだが、そのネオンが時代を映すということもあるのだろう。
単行本に収録されている作品を眺めると「花影」があった。
この作品は、近いところでは荷風や川端康成から繋がる、いわゆる花柳小説の一環である。
花街は酒場になり、女給は暫くしてホステスになった。
風俗は移るけれども、その本質はそう変わりがないような気もしている。