赤羽北ラーメン。
 
 
 
■ 随分と前、その界隈をうろうろしていたことがあった。
 別に女がいたという訳でもない。
 月賦で服を売るデパートの裏手に、闇市のような一角があって、そこでラーメンを食べた。石油缶でスープを煮たような味だった。
 こんな不味いものがこの値段をする。
 ところが夜更けには、化粧のとれた仕事帰りの女たちが、野菜炒めを食べていたりもする。