ギャバジンの袖。
■ いつだったか銀座で時間が空き、男性物の洋品屋に入った。
イタリア製のブランドがあるが、鞄の値段を聞いて成程と思う。
ナイロンのものはないのかと尋ねると、そこの店員は横を向いた。
君は韓国の俳優を意識した眼鏡をかけているのだね。
どこでもそうだけれども、ショップの門番と説明をする人たちはすこし品がない。
私も柄が悪いので、そういうことはすぐ分かる。
■ 綿のコートの袖口はすこし長くなっている。
これは時計ですれたりした場合、折り返して使うからで、その頃にはそのコートもいいよれ具合になってきている。
色はキャメルか玉虫色、せめて紺だけで、ここ数年はやっている黒色は綿だけの場合には色が出ない。
ハリス・ツィードがぶら下がっている店で、詰んだ綿のコートを見かけた。普通のものよりも倍くらいの重さがある。
羽織ってみると欲しくなるので、ハンガーを目の前にぶら下げるだけにした。
スコットランドの中年の郵便配達と変わりがないようにも見える。