東京雨あがり。
 
 
 
■ 革の底の靴を、雨の日に履くというのは無駄である。
 水を吸って削れてゆくからだ。
 昨日の会合は、文化人や大臣がきていた。
 大臣が若い頃、馴染んだという置き屋の女将と並ぶ。
 何も無かったからこうしていられるんだよ、と酔いながら笑う。
 今の芸者は踊りも何も。と、昔から繰り返された言葉を聞いた。
 私は小型のデジカメでそれを撮ったが、ここに載せる野暮はしない。
 
 
 
■ 一日経って、靴をしまう。
 木製のシューズ・キーパーを入れ、かたちを整える。
 昨日の受賞作家さんの話はつまらなかったな。
 文化文化と、結局は自分のことを言っているんだな。
 こういうところで繋がって、広義の営業を試みている訳だが、なにそれはデザイナも同じである。
 やっと雨があがった。