ゆるやかな川沿い。
 
 
 
■ 深夜、漠然としている。
 夏はどこへもゆけなかった。
 アジアへ、誘われてもいたのだが、パスポートの確認だけをしてそれも流した。
 仕事はすこし詰めに入る。
 
 
 
■ 比較的大きな組織と付き合うことが多いのだが、その組織の体質や沿革、組織図のようなものが案外に大事になることがある。
 向いている方向であるとか、逆流であるとか。
 どうすれば個人がその組織の中で生き延びてゆけるのかということを、遠くから想像したりもする。
 だが結局は、私は独りなのだから、その立場は崩せない。
 そんなことを、川を眺めながら考えていた。