オーシャン・バー。
 
 
 
■ 銀座裏にそのままの店が残っていて、いつだったか迷い込んだ。
 妙齢本格派の先輩と一緒である。
 先輩はほとんど宝塚の男役なので、黒ずくめでパンツを履いている。髪も短い。
 ストレトなどを嘗めたりする。
 二杯目の頃合い、北さん、何故わたしが今こうしているか分かるっ、と、詰問されたりした。
 
 
 
■ 私たちはテーブルに居たのであるが、私は先輩の話を聞いていた。
 手を伸ばすと届くようなところに、丸いスツール上の尻がある。
 気がつくと、カウンターで飲んでいる方々の半分は、妙齢中ほどばかりである。
 私はその尻を眺めながら、彼女スカートのチャックが少し下りているよ、と言いたかったが黙っていた。