東京の印象。
 
 
 
■ 〆切前の作業をしながら、うつらうつらとしている。
 薄い風邪が躯に入ったようで、熱っぽいのだ。
 こう書くとあちこちから「虚弱なんだからっ」と暗に批判する声が届くのだが、この場合は二日酔いではないのでご寛恕願いたい。
 
 
 
■ せんだって、甘木君とその弟分「仮面の忍者、屈折」氏と酒を嘗めた。
 二軒目くらいで、青山の地下に降りたバーへ入る。
 甘木君は、ワイングラスにやや高いウィスキーを垂らしてもらって、チェイサーと共に嘗めていた。
 黒服が氷を入れますかと尋ねる。ワイングラスに氷入れるかよ、と彼は呆れていた。
 
 
 
■ 都会とはこういうもんなんすね、と屈折氏が言う。
 別にそういうことはなくて、ただそこにあるものに乗っかっているだけである。
 地名は記号のようなもので、酒の名前もそれに近い。