汐留アジアの日。
 
 
 
■ 車を車検に出したもので、代わりの車を借りている。
 国産の、バブル後期に作られたものだろう。
 車種は知っているがここでは割愛。
 12万キロ程度でオイルが下がっているのはいただけないが、ともかく走るので、都内を這いずり廻っていた。
 さすがに夜の首都高速だけは使わない。
 
 
 
■ 汐留界隈で人を待っていると、廻りに黒塗り二台が近寄ってきた。
 一台は新しいセンチュリー。一台は後ろの長いマジェスタである。
 運転手は二人とも若い。紳士服のハルヤマで買ったような、ぴらぴらした背広を着て、車道の上で胸を張り、煙草を吹かしている。誰か写真を撮ってくれという顔をして。
 彼らも誰かを待っているのであろう。だが妙齢ではなさそうだ。
 
 
 
■ 私は白煙をはきながら、新橋方面へと左折した。
 ここもアジアであろうかと思われる。
 時々、白煙が室内に篭もっている。
 カセットは陽水にしてみた。