ブルックリンで、真夜中には色があった 2.
 
 
 
■ 私にとって、ブルックリンといえばこの作品である。
 繰り返しポスターになったり、各種雑誌広告に使われたりした。
 不思議に男たちに人気のある作品で、すこしマニアになると、それ以外、例えばこちらを選択したりする。
 
 
 
■ 撮影している時だ。
 背の高い黒人とすれ違った。
 彼は何をしていたのか、ブルックリンからの夜景を暫く眺めていた。
 すこし痩せていたような記憶がある。
 危ない場所と時間なのだという気もしたが、私はサングラスをかけた東洋人で、持っているものは旧いMFのカメラくらいしかない。
 私は彼をちらりと眺め、念で伝える。
 似たようなものなんだぜ。