群雲 2.
 
 
 
■ それは都会というものの怖さだ。
 美しく見えるその下で、時給二割増で朝まで働く若い女性がいる。
 いつかはそうしてやろうと、コンビニでレジを打つ若者もいる。
 私はどうかというと、たかだかは誤差だ。
 誤差が全てなのだろうという気もどこかでする。
 どちらかに傾けば楽なのだろうということも、十六の時から分かってもいる。