九月雨。
 
 
 
■ 手を置くと、その奥からゆっくりと熱の塊が浮かび上がってくる肌がある。
 どうということもないうなじと瞼をしているが、その下にあるものに思いの他質量があり僅かに湿り気を帯びている。