ドブ板あたり。
 
 
 
■「夜の魚 外灘」を続けて掲載している。
 この辺りにきて思い出したのだが、当時私は半ば楽しみながら本作を書いていた。
 出てくる小道具がそのようである。
 ルノーの5(サンク)などは、今ほとんど見ることができないが、この当時であっても数十万程で買えただろう。バカラという内装がすこし上品なものもあった。
 主人公が乗る車に、あまり高級なものは出てこない。
 作者の生活レベルがその辺りだったからである。
 
 
 
■ 先ほど、有楽町に向かうため、交差点で待っていると、シトロエンのDSが天現寺方面からのったりと曲がってきた。
 グレーであるから、前に銀座界隈でみかけたそれかも知れない。
 下腹の辺りが、雨の跳ねた泥で汚れ、まあこんなものだよなというヤレ具合であった。 持ち主が自宅でモノクロの裕次郎を見ているような奴だったら、出来すぎである。
 そういえば、「北北西」のエバ・マリー・セイントは綺麗だった。