冬ホテル。
 
 
 
■ いいなと思うホテルは、つまり隠れ家に似ている。
 今はもうない、原宿同潤会アパートの、今から25年前の風情を思い出す。
 
 
 
■ 横浜界隈で、逃げ隠れしたことが何度かあった。
 訳は忘れたが、湿ったベットに独りで潜り込んだ。
 灰色の低い屋根が続く。
 これ以上、どうにもならないよなと思っている男達が昼間から通りをうろうろし、次は何の飯を喰おうかなとも考えている。