水仙に。
 
 
 
■ 気になる仕事があったので、夜半もそもそとPCに向かっていた。
 どちらかと言えば赤字に近いそれなのだが、頼まれてやるといった以上、イタシカタなく調べたりメールを書いたり、何種類もデザインをしていたりした。
 こういう性格はどうにかならないのかと、いつも思うのだが、結局は自分のprideがそうさせている。
 寝癖とprideでは、緑坂にもならねー。
 
 
 
■ 仕事場は六階にあって、大きな窓が開いている。
 今はもう明るくなったので、ガラスの汚れが目立つ。
 外にベランダがある訳ではないから、窓を拭くのは命がけだ。
 他の方々はどうしているのかと管理人に聞いたが、確かな答えは返ってこなかった。
 寝癖を立てながら地下に降りてゆこうとすると、妙齢のご婦人とエレベータで一緒になる。
 失礼します。と互いに声をかける。
 彼女はB1で降りたが、駐車場のシャッターが開いていた。
 私が車でそのままゆくと、紺色のBMWが出口で待っている。
 フィルムを張らない5シリーズをご婦人が転がすというのもなかなかなのだが、別に車のことはいいのだ。