追浜のZ。
 
 
 
■ 第三京浜を流していると、そのパーキングで、L型ばかりの集団に会うことがある。
 L型というのは日産の直列六気筒で、長くいくつもの主力車種に詰まれていた。
 スカGもローレルもフェアレディも、重く眠たいLを元に70年代から80年代を生き延びてきた訳である。
 コンロッドを取り替え、3200まで排気量をアップする。
 ソレックス、タコ足、デュアルマフラー。
 これが定番のチューンだったが、メカではせいぜいが250PS程度が実用だった。
 今の計測値にすると、200まではないだろうと思う。
 
 
 
■ ツナギを着た若者が私に説明をする。背は160くらいだろう。
 イチロクにぶち抜かれるんですけどね、コーナーで尻振って。
 いやいや、現実には彼のS30だとシャーシがそこまで保たない。
 でも、音がいいんですよ、聴いてください。
 カブってないか。
 カブったかな。
 私は彼に缶コーヒーを奢り、ちょっとハンドルをと薦められるのを辞退した。
 わりいよ、君の彼女みたいなもんじゃん。
 何処から来たのかと尋ねると、彼はダッツンの工場に勤めていた。