十月の赤い月 3.
 
 
 
■ 高速を流したりバイパスで電話したり。
 スタンドで手洗いしてもらって雨になったり。
 90年代風の店で食事をしたり。
 細君らしき妙齢が、新小岩の花嫁のようだった。
 
 
 
■ 私はカポーティの評伝を持っていた。
 とぼけた顔をした彼が、サスペンダーに親指をかけている表紙のそれである。
 資料というのは何処まで読み込めばいいのか、何時も迷う。
 読んでいるうちに人生が終わるからである。