名もない港に。
 
 
 
■ 冬から春へ傾いた頃、口に出るのが小林旭のこの歌である。
 桃の花が咲く港町を歩く。
 そこは恐らくは漁港で、暖流と還流がぶつかりあうところである。
 港町にはやや粗いけれども気立てのいい女がいて、なんてことは映画の世界だけであって、余所者には距離を置く。