明け方三ヶ月。
 
 
 
■ 冬の夜は長い。
 気がつくと既に暗く、それでいてうんざりするほど冷え込んだりもする。
 落葉というのか、ほんの一日二日で樹は裸になってしまう。
 それは木枯であったのだろう。
 仕事場の窓ガラスから何度も舞っているのがみえていた。
 
 
 
■ 視界に、細い鉛筆立てのような高層マンションが建っていて、まだほとんど人は入っていないようだった。中ほどに常夜灯のように灯りが点いている部屋があり、彼の地は細かなシャンデリアが付いているようだ。
 あのガラスというかアクリルの集まりをひとつひとつ拭いてゆくのは大変だ。
 若い頃、嵐山にあるお屋敷のそれを、掃除していたことを思い出す。
 泊めてもらって、庭なども掃いた。
 
 
 
■ 大きな仕事は大体終わっているのだが、独りで生きている訳ではないものだから、あれこれと雑用が入る。
 例えば複数台のPCの面倒をみたりしながら、分からない設定に6時間もかかった。
 いい加減こういう人生は終わりにしたいものだよなあ、と思いながら、買うべき部品のリストを作ったりしている。