ところが騎馬民族。
 
 
 
■ 先日風呂の中で「騎馬民族国家」という名著を再読していた。
 古本屋で買ったものだから、誰かの鉛筆によるラインが引いてある。
 結語だけを旨くまとめてあるので、多分レポート用だったのかも知れない。
 
 
 
■ 前に、ある大学と国際交流基金が主催するシンポジウムのためにポスターを作った。 電車の中吊り広告にしたのであるから、かなり力の入ったもので、内容は日韓交流がベースになっている。
 制作にあたり、私は考古学と歴史の本を読みふけった。紙袋でふたつみっつになったろうか。
 朝鮮史もさることながら、神社と靖国、あるいは陰陽道などの話にも流れてゆく。
 デザインをするのに、何故歴史の本を読まなければならないのか不明である。
 不明ではあるが、写真もデザインも、実は背後に理論的な裏づけがなければならないという気はいささかしていて、後はそれをどう省いていくかにかかっているとも思う。
 
 
 
■「騎馬民族国家」をぱらぱらとめくっていて、「ところが」の使い方がとても面白かった。逆説ではなく薄い順接にも堂々とお使いになられている。
 面倒なので例文を出すことはしないが、成程、日本語というのは粋な部分も多少ある。