唇がわれた 2.
 
 
 
■ 暫く眺めていると、芸術と芸術っぽいものの違いが分かってくる。
 なんとも言えないのだが、後者には僅かに無駄がある。
 無駄とは何かというと、微妙な自己愛であったり、それが友人達との会話だったり、一定の枠の中で互いに遊んでいるかのような風情であった。
 
 
 
■ 一歩外に出ると、風が冷たい。
 ぽつんと居ることができるというのはある種の才能かも知れない。