ディア・オールド・ストックホルム。
■ 実は北欧に行ったことがない。
写真を仕事のひとつにしている癖に、私は旅というものが基本的に嫌いだ。
何故かと言えば、戻ってこなくなる予感があるからである。
「緑色の坂の道」vol.3905
低く丸い月。
■ エントランスを出ると白い月が見えた。
クリスマスの飾りつけの向こうに、取り替えたばかりの蛍光灯のように光っている。
何時もとは違う人波が流れてきた。
「緑色の坂の道」vol.3904
南瓜の日 2.
■ 鈍い黄色というのは、冬である。
金色とはまたちがう。朱とも近くあって、すこし位置が異なっている。
知らない間に、私たちは色で何ものかを認識しているのだが、もっとゆっくりしようか。
「緑色の坂の道」vol.3903
南瓜の日。
■ 先日南瓜を食わされた。
いつもなんらかの理由がある。
それはそれ、子供の頃は覚えていたのだが、酒を嘗めると忘れてしまう。
冬は足許から近寄ってきて、見上げると空に隙間が増えていた。
「緑色の坂の道」vol.3902
十二月のこのまっくらな真夜中に 7.
■ マイルスのアルバム二枚聴いていたらスコッチが切れた。
何時だったか戴いた高いそれを取り出して悩む。
蟹の缶詰のような扱いである。
「緑色の坂の道」vol.3901
十二月のこのまっくらな真夜中に 6.
■ 1?4 は昨年書いた覚えがある。
今、検索をしてみると2005年11月の末のようだった。
たいして気分は変わっていない。
■ 変わったものと言えば、車や使うカメラボディ。
カードの限度額や皺のひとつふたつだろうか。
それよりも、いつのまにか自分の場所なのである。
「緑色の坂の道」vol.3900
十二月のこのまっくらな真夜中に 5.
■ 部屋を暖めながら、ひとつふたつ原稿を書いていた。
年明けに企画を出すその草案のようなもので、紙袋二つばかりの資料が廻りにある。
かたちになってきたかな、というところで酒を嘗め始めた。
AVO というシガーを半分だけ吸う。
空気清浄機がまわる。
雨が強くなってきた。
「緑色の坂の道」vol.3899
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■パーソナルアドカード 「甘く苦い島 - Insula Dulcamara 」