スウィングトップ。
 
 
 
■ BARACUTAのG4はやや手が長い。
 折り返したり適当にまくったりしているが、伊太利の息がかかっているから仕方のないことかもしれず、旧いアルファのドライビング・ポジションが当時のマニアに手長猿と自嘲されたことを思い出させる。
 真冬と真夏には単体ではやや厳しいものの、適当に着回しできるところは、いわゆるブルゾン好きにとっては重宝するようなところもある。
 

 
■ G4もG9も、袖口が擦れたり光ったり、そういうのをあまり気にせずに羽織るべきかと思っているが、さすがに自転車用ではないだろう。
 それとは別に、コットンにオイルを染み込ませたジャケットがあるのだが、これも少し拘った男たちが目をつけてどうにか求め、手入れしては乾く前に着て埃だらけになるという代物である。
 ワックスを馴染ませるのに丸一日か二日。傍へよると匂いがして、地下鉄の中では少し厳しいものかという気もする。
 不便なことは分かっているのだが、塗り終わったものを壁にかけ、カップ焼きそばなどを食べながら上目でそれを見上げている姿というのは、男の愚かさを象徴しているようで私は好きであった。