飾りのついた四輪馬車。
 
 
 
■ いつぞや、新型のメルセデスのAに暫く乗っていた。
 素のタイプにあれこれOPがついたものらしい。
 走行1000kmちょっとのほぼ新車である。
 これで500kmほどを走ったことになるのか、終いにはややうんざりした気分でガソリンだけを入れていた。
 

 
■ 車の評論を書くつもりはないので省くのだけれども、この型になってから随分と人気が出ているらしい。
 背は低く窓は細く、顔つきは攻撃的でピカピカしている。
 セッティングを替えて踏めばそこそこ出るのだが、そうすると煩い。
 ブレーキのサーボが効き過ぎているような気もする。そう太くもないタイヤだが、リアがばたつく。
 一通りの電子デバイスに飽きた頃合、この車を買う金で古いヨーロッパの小型車が何台手に入るかを考えている自分がいて、こうした感覚はやっぱり一般受けはしないだろうなと苦笑いしてから開き直った。
 
 
 
■ Aの中に持ち込んだのは、クルセイダースとディビィスである。
 選曲も間違えていた。