口笛のきこえる波止場 2.
 
 
 
■ 彼には文才があった。
 子守唄のようなそれである。
 

 
■ 私はそれを時々もらい、推敲しては昼間の厄介に流した。
 余計にあるからやるよ、と置いていかれた毛羽叩きがトランクに入っていて、随分羽もとぎれたのだが捨てられない。