すこし風の日 2.
 
 
 
■ 夜になってふらりと外に出た。
 自動販売機で缶のコーヒーを買い、いつもとは違う入り口から首都高に乗る。 踏んだり離したり、各部を点検しているような走りが暫く続いて、気がつくと埠頭近くの道路脇である。
 思いついたことがあったので、ダッシュからメモを取り出して書く。
 

 
■ おかしな車が好きな方々や単車乗りは、自分の車やバイクを眺めるのが好きだ。
 ナルシズムそのものだが、この角度がいいとか悪いとか、ジム帰りの男たちが体脂肪の数値を語り合うことに似ている。
 向こう側に旧いフォアが停まっていて、40代半ばの男性が座り込んで煙草を吸っていた。
 一度レストアしただろう車体だった。