塩だ 2.
 
 
 
■ 地味ではあるが、こういう映画は好きである。
 カーン演ずる水兵の愚かさも優しさもすこしばかり身に染みる。
 中年を過ぎないと分からないかもしれない。
 

 
■ いつも帰りたいって言っていたんだよ。
 少年と水兵が、子を置いて別の男と故郷に戻ってしまった母親、女のことを口にする場面があって、彼女もまた都会へ流れついた木切れのようなものだったのだ。
 ニコルソンが演じた「さらば冬のかもめ」という映画も、寒々とした米軍水兵達のお話だったが、誰と誰が結びつきあって、ここから先には決していけないといった何本かの線が彼の地にもこちらにもある。
 ただ、それは決して意識には上らない。