Not yet.
 
 
 
■ 旅先に「ニューヨーカー短編集」を持っていった。
 1974年に早川書房から出されたものである。第1巻。常盤新平さんの編集。
 どうしてこういうものがあるかというと、要は折に触れ集めていたからで、通して読むというよりも、数頁をめくってまた元に戻す。
 そのうちどこに片付けたか分からなくなって、忘れた頃にまた見つけるということを繰り返していた。
 

 
■ 例えば「夏服を着た女たち」や「ハロルド・ロス」などで検索をしてみると、何画面かに、これは、と思うような文章を見つけることがある。
 どういう方なのかは推測でしかないが、おそらくは編集者でもあったのだろう、奥に随分のものが省かれたテキストである。
 こういう方がおられるから怖いんだよな。
 でも、そう捨てたもんでもないよなあ。
 と、私はにやにやしていたものだった。