カストリ時代 2.
 
 
 
■ カストリとは何か、という説明から入るのが普通なのだろうが、緑坂の読者はリテラシーというかすぐに調べたりできる方々だろうから割愛する。
「随想:カストリ雑誌」と題して、吉行淳之介 / 野坂昭如 / 藤本義一 / 堤玲子 / 井上ひさし / 新藤兼人 氏らが随筆というか談話を載せていた。
 ま、もの凄い面子である。にやにやされる方もおられるだろう。
 談話とあるから、語り卸しを文章化したのだろうが、当然赤も入ったはずで、結果的にみなさんの日頃の文体に近いものになっている。
 庶民の文化遺産、と新藤監督が言っているところがらしくていい。
 

 
■ 田中小実昌さんや吉村平吉さん、メリー松原さんなどの対談が今ならちょっと引用をためらわれるほど面白い。
 つまりストリップと赤線などについて語ったものだが、筆おろしはいくつの時だったなど、酔っ払ってなければとうてい言えないようなことが書かれている。ま、飲んでおられたようですが。
 メリーさんというのは引退したストリッパーだが、性格のよさそうなふくよかな表情をされていた。