夕日の丘 4.
 
 
 
■ 裕次郎映画のテーマはどれも自分捜しである。
 これは確か矢作俊彦さんが仔細に分析していた。
 

 
■ ひとりで捜せる訳はないので、兄貴だったり女だったり、年代とともにその相方が変わる。
 その意味では、中期以降の日活裕次郎映画で、浅丘ルリ子さんが占めていた割合は決定的と言って良い程大きく、あのストイックさと細身の体躯が画面の緊張感をかろうじて支えていたところもあった。
 役の裕次郎以上にハードボイルドだった、と今にして思う。
 
 
 
■ どちらにしても、物語は女がいなければ成り立たない。
 男だけの世界であっても、通学の電車で一緒になるたびにあれこれを飛ばしていたわけだから。