二月尽。
 
 
 
■ 空気のなかに浮ついたものがゆっくりと増えてきて、じきに春である。
 大体、雨がそうだった。
 何時も通る道の先に桃色の花が咲いているのを見つけ、あれはなんだっけ、と話の腰を折ってしまう。
 
 
 
■Baby Won't You Please Come Home.
 鼻水を垂らしながら、妙齢中程が歩いていく。
 彼女は海にいったらしい。