夢の馬路か。
 
 
 
■ 虹口の街か。
 と歌うのはディック・ミネさんである。
 その後、裕次郎なども歌っていたが、甘いやさぐれ方は先達に及んでいなかった。
 つげ忠男さんの「無頼平野」という作品に、この歌詞が毛筆で挿入されていて妙に記憶に残ったことを覚えている。
 
 
 
■ 上海で、文革を通り過ぎたインテリの世話になったことがある。
 決して口にしないところを通り過ぎてきたのだろう。
 左頬あたりにある薄い筋のようなものが何ゆえか、こちらも踏み込まない。