Gloria.
 
 
 
■ どんなジャンルでもそうだ。
 優れた作品は再読に耐えるものである。
 古くなった。ならない。
 分かる。分からない。
 こちらが若造だったからかも知れず、同じものを今眺めても解釈が違ってくる。
 
 
 
■ ジーナ・ローランズ演ずる「グロリア・スワンソン」
 往年の大女優の名前を援用しているが、齢50を過ぎた身も蓋もない妙齢本格派である。
 ハイ・ヒールが似合うのはブロード・ウェイで鍛えていたからだ。
 しかもリボルバーの扱いが旨い。
 
 
 
■ 昔は立派だったアパートがスラムになる。
 廊下だけアール・デコの様式が残っていて、壁は手入れされていない。
 入っているのはプエルトリコか黒人、または訳ありの白人である。
 グロリアはそこにくたびれた格好で住んでいる。