Blues-like 3.
 
 
 
■ 7万キロほど走ったそれは、ドア・ノブのあたりが加水分解していた。
 材質のせいだが、ある程度仕方のないところもあって、フェラーリやマセなんかでもスイッチ辺りが溶けてくる。ペタペタする訳ですな。
 それ以外骨格はしっかりしている。キシミ音などもない。ドアの閉まり方はメルセデス特有のバスンというものである。
 ATの博打さえ覚悟すればそう悪くもないのかな、と一瞬考えたが、やっぱり座面はもう少し低い方がいい。市街地ではなくロング中心ならば尚である。
 と、減点法で考えるのが日本人の悪い癖だという話もあって、要は小型車を床まで踏み、廻して乗るのは面白いということが言いたかった。
 
 
 
■ 重厚長大の不沈戦艦という方向と。
 マリーン・エンジンを積んだ木製のモスキートみたいな方向と。
 あえて零戦とは言いたくないのだけれど、なんとはなしにそんなことを思う。
 ガチガチに硬めた脚もその他も、40代辺りが限界ではなかろうか。