梅雨入りジュリー 5.
 
 
 
■ 20年前の車を大事に保っている。
 軽くオイルが廻るまで、短い暖気もしている。
 昨日今日乗り始めた訳ではなさそうで、室内灯は昔のままのオレンジ色だった。
 男性がどんな格好をしていたか、もう忘れたけれども、薄い紫のシャツのようなものを着ていたような気もしないでもない。
 ちがうか。見かけて欲しくなったポロの色か。
 
 
 
■ 飛ばすこともなく、口説くこともなく、どうしてこんな不合理なものを維持しているのと時折は指さされ、まあいいかなと過ごしてきた人は素敵だ。
 都心には時々こういう方がおられるのでうかうかできない。